— 70歳の現場管理人より
半導体装置部品の品質保証と検査をやってきた癖で、
ネットの副業も“手順書”と“エビデンス”で見ます。
今回は「稼げるメール副業 ラクラク副収入」という、
女性限定をうたうメール副業案件を精査しました。
結論は先に──登録しないのが安全。
理由は、報酬受取時にプリペイド(Appleギフト)コードを要求する
“メルレ詐欺”であると一次情報で確認できるからです。
案件の“主張”を要約
「お金持ち男性の悩みをメールで聞くだけ」
「先行者利益で月50万円」
「女性限定・追加募集10名」
耳ざわりは良いのですが、
内容は“高所得者がメール相手に高額支払いをする”という非現実な前提に立っています。
提示の論理も矛盾が多く、訴求と実態にギャップがあります。
登録後に起きること

検証用アドレスで進めると、
空メール送信を機に複数の偽出会い系サイトへ勝手に登録され、
1日1,000件級の迷惑メールが雪崩れ込むとの報告。
解約しても別サイトに横流しされ続ける“メール汚染”が発生し、アドレス変更が唯一の回避策になると記されています。
品質の世界で言えば、不良ロットを全ラインに混ぜ込むようなものです。
“報酬受取”で露呈する決定的サイン
報酬を受け取る条件として会員ランクを上げる必要があったり、
申請料が掛かるなどとして、申請料名目でAppleギフトカード等のコード送付を要求されます。
──ここがプリペイド詐欺確定の決定打です。
コードは換金されれば終わり、当然ながら報酬は出ません。
事業者表示(特商法)の“不在”
特定商取引法に基づく表示が見当たらず、運営元の実体が確認できないと明記されています。
責任主体が曖昧な案件は、品質保証の観点では出荷不可。
そもそも特商法は、違法・悪質勧誘から消費者を守るための基本枠組みです。
シニア向け・実害回避の作法

- コードは送らない
- メール分離
- 特商法チェック
- “先着・限定・今だけ”は要注意
- 記録を残す
上記5点を意識して、自分の身は自分で守りましょう。
品質保証メモ(合否の判定基準)
- 再現手順があるか(どの作業で、誰が、どの指標を達成すれば報酬が確定するのか)
- 検収の仕組みがあるか(報酬の計算式・締め日・支払日・差戻し条件)
- 責任主体が明確か(特商法表示と問い合わせ動線)
いずれか欠ければ“不適合”。
本件は三項目すべてNGでした。
──“楽して”より“無理なく”
「ラクラク副収入」は、プリペイド詐欺であり登録リスクが高い
──これが結論です。
私も優待名人を装った投資詐欺で痛い思いをしましたが、
自分に合ったやり方を無理なく続けるほうが結局は一番強い。
定年後にもう少し収入を、という同世代の方は
仕組みと責任の見える副業だけを選んでいきましょう。